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株価はランダムウォークなので、予測不可能だという人が居る。実際、乱数を使ってランダムウォークのチャートを作って、「これは株価チャートだ」と言って見せると、信じる人が多いそうだ。 しかし、これは単なる言葉の誤魔化しだ。ランダムウォークが株価チャートに見えるからと言って、株価チャートがランダムウォークであるという証拠にはならない。 実際には、株価は自然現象ではない。 それぞれのトレーダーは、サイコロを振って株を売り買いしているわけではない。たいていは株価を見ながら売り買いしているものだ。 一人一人のトレーダーが、「株価を見る→判断する→売り買いする」という行動をした結果、新しい株価が形成される。その株価を見て→判断する→売り買いする、という行動が延々と繰り返される。 従ってこれは心理学的なフィードバックループの問題だ。例えば、 (1) 多くのトレーダーが、チャートを見て、「おっ、そろそろ上がるぞ。」と判断する。 (2) その株を買うトレーダーが増える。 (3) 現実に株価が上がる。 要するに、みんなが上がると思うから上がるのだ。予言の自己実現というやつだ。 あるいは、こうも表現される。「株を買うのは、美人コンテストのようなものだ。自分が美人だと思う人に投票するのではなくて、みんなが美人だと思いそうな人に投票すれば、当たる。」 そこで、どんなパターンを見ると、みんなが「おっ、そろそろ上がるぞ。」と思うのか。 例えば「U字谷」は強力な上昇サインだ。 |
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チャートが下がっている最中にちょっとだけ上がる事がある(例えばB点)。これはノイズだ。移動平均線に当たったので、反発するかも、と買いが入ったが、流れにならなかった。 一方、A点のように下がる勢いが弱くなってくると、そろそろ上がるな、と身構える人が増える。 しかし、ここでつかんでは落ちてくるナイフだ。少し様子を見るか、試しに買って、また下がり始めたら売り飛ばそうと緊張して見守っている。 |
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つまり、A点では売りも買いも迷っている状態だ。しばらくすると、上がるか下がるか動き始める。下がったら、勿論あきらめて他を探す。 しかし、ここで上がり始めれば、またしばらくは流れが続く。「しばらくは上がるだろう。」とみんなが思うからだ。 上がり始めれば、そこにはU字型の谷が出来る。迷いが大きいほど底が平らになり、後で見ると綺麗なU字型になっている。動き出した時の流れが強い。 我々素人が買うのはU字谷の出口付近だ。ゆっくり上がり始めたら買う。 B点のようなV字谷であわてて買わない方が良い。反転上昇する事もあるが、だましである事も多い。ギャンブルは避けよう。 素人はプロが作ってくれたチャートパターンに乗っていけば良いのだ。コバンザメのように、プロのおこぼれを拾うのが正解だ。「人の行く裏に道あり花の山」とか言うのは、プロのための格言であって、素人が裏道を行くと遭難する。 |
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