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賢者の石
[The
Philosopher's
Stone]
コリン
=ウィルソン
創元推理文庫
1971.6
 大学時代に下宿の隣の部屋にいた友人にこの本を薦められて読んだのが、「コリン=ウィルソン」と「クトゥルー神話」に引きずり込まれるきっかけになった。主人公のライフスタイルに憧れた。
 コリン=ウィルソンとしてはクトゥルー神話の骨組みを借りて自身の求めるテーマ「自己の拡大」を書きたかっただけかも知れない。
ソラリスの
 陽のもとに
[SOLARIS]
スタニスワフ
=レム
早川書房
1977
 レムのテーマは出会い。しかも、理解し合うことができない出会い。
 宇宙人が攻めてきたり友達になったり、要するに人類の延長線上に宇宙の生物を持ってくるSFが多い。レムはそのどちらでもない。
 ソ連映画「ソラリス」はマニアの間では有名。ジョージ=クルーニーの主演でリメイクされた。
虎よ、虎よ!
[TIGER!TIGER!]
アルフレッド
=ベスター
早川書房
1978
 ジョウントの練習のために風呂に潜って息を止めてみたりした。
模造記憶
[We can
remenber it for
your wholesale]
P.K.
=ディック
新潮文庫
1989
 シュワルツネッガーの「トータルリコール」の原作。原作と映画は大分違うが。
 高橋留美子が初期の短編「勝手なやつら」(るーみっくわーるど:小学館)で大筋とオチをパクッている。
天使墜落
[Fallen Angels]
ラリー
=ニーヴン
ジェリー
=パーネル
マイクル
=フリン
創元SF文庫
1997
 「堕天使」と訳しては誤解を与える。「天使墜落」はそのまんまだがわかりやすい題名だ。
 日経バイトにコンピュータの話を連載しているジェリー=パーネルの小説。極端な自然保護派が政権をとって、科学が抑圧された世界でSFファンが活躍する話。楽天的で気楽に読める。
聖者の行進
[The bicentennial
man and
other stories]
アイザック
=アシモフ
創元推理文庫
1979
 短編集。この中の「バイセンテニアルマン」が「アンドリュー」という題名で映画化された。主演はロビン=ウィリアムス。
ニューロマンサー
[Neuromancer]
ウィリアム
=ギブスン
ハヤカワ文庫
1986
 元祖サイバーパンク。当然、映画「マトリックス」などはこの延長線上にある。
 ついでに、「マトリックス」の原型になった「JM」もギブスンの原作。「JM」にはキアヌ・リーブスやビートたけしが出ている。
 ビートたけしもいつの間にかキアヌ・リーブスと共演しているとは侮れぬヤツ。
宇宙船ビーグル
号の冒険
[The voyage of
the space veagle]
ヴァン
=ヴォークト
創元推理文庫
1964
 宇宙船ビーグル号が旅の先々でいろいろな生物や事件に出会うという短編集。その第一話はケアルという生物の話。映画「エイリアン」はこの話をパクッたか、下敷きにしたか。結末まで同じ。
 ただし、映画「エイリアン」のイメージはギーガーのデザインによるところが大きいので、この小説とは印象が大分違う。
[訂正]この説明は曖昧な記憶で書いたので、間違っている。エイリアンに似ているのは「ケアル」でなく「イクストル」の話だった。(2004.11)
地底旅行
[Voyage
Au Centre
De La Terre]
ジュール
=ヴェルヌ
創元SF文庫
1968
 ガンコで精力的な科学者リデンブロック教授と語り部の「私」アクセル、強力な助っ人ハンスの取り合わせは、コナンドイルの「失われた世界」のチャレンジャー教授、「私」マローン、冒険家ロクストン卿にそのまま使われている。その後の同種の小説もこの人物配置を踏襲している。
タイム・マシン
[Time Machine]
H.G.
=ウェルズ
岩波文庫
1991
 近頃ひ孫によって映画化された。タイムマシンに付き物の「タイムパラドックス」。「タイムコップ」ではヴァン=ダムのアクションでごまかした。「バックトゥザフューチャー」ではギャグでごまかした。(ターミネーターでは全く知らぬふりを決め込んでいる。)この映画ではタイムパラドックスをごまかさずに重要なテーマの一つにしている。
アンドロイドは
電気羊の夢を
見るか?
[Do Andoroids Dream Of
Electric Sheep?]
P.K.
=ディック
ハヤカワ文庫
1977
 「模造記憶」といいこれといい、P.K.=ディックは「私とは何か」というのが一つのテーマのようだ。
 ブレードランナーの原作。日本では映画の方が先に有名になった。
フランケン
シュタイン
[Frankenstein]
メアリー
=シェリー
角川文庫クラシックス
1994
 有名なのにほとんど読まれない本。ビジネスマンが不況のせいで本をよく読むようになったそうだ。生き残りのために力を付けなければならない。しかし、この手の本は相変わらず読まれない。
 役に立つ本はその日を過ごすには役に立つ。しかし、その人の知の基礎体力を付けるのは「役に立たない本」ではないかと思う。
パパの原発
[Dad's Nuke]
マーク
=レイドロー
ハヤカワ文庫
1988
 題名通りアホらしくて面白い。
2001年
 宇宙の旅
[2001 A Space Odyssey]
A.C.
=クラーク
ハヤカワ文庫
1979
 この小説は面白いが映画の方が有名だし、面白さも映画の方が上だと思う。ただし、どちらが「良い」かというと、それは個人の価値観による。(小説の方が評価が高いようだ。)
 ところで、この映画と小説の関係は面白い。原作でもないし、ノベライゼーションでもない。同時並行で企画され作られたらしい。