バットディテクタ 周波数変換ユニット(1)
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 ミキサーと局部発振はそれぞれIC1個なので、まとめて周波数変換ユニットにする。
 発振はデジタルの教科書に載っているシュミットインバータを使った回路でいく。

 と言っても、発振回路という物は本来アナログなので、デジタルICを使っていても、動作はアナログだ。電源を低損失レギュレーターで安定化しておく。

 R2は保護用だが無くても良い。74HC14Pは6回路入りなので、残りの入力は必ず接地しておかないと不安定になる。
 TA7358PはFMラジオのフロントエンド用のICだ。しかし、今時はFMラジオの全機能の上にデジタルコントロールまでワンチップ化されている。

 こういう集積度の低いICはほとんど製造中止になっていて、TA7358Pも例外ではない。サトー電気に在庫があったので、20個ほど買い込んだ。

 別にFMラジオを作ろうというのではない。DBM専用のICがほとんど製造中止で手に入らなくなったので、その代わりに使おうというわけだ。

※DBM:ダブルバランスドミキサー。
 TA7358PのmixerはDBMだが、内部の回路を見ると、IFの出力がシングルエンドになっている。

 高周波の場合は同調回路のフライホイール効果で、シングルエンドでもかまわないのだが、オーディオ周波数で使うとなるとそうも行かない。

 回路図をにらみ倒してみると、mixerの出力が6番と9番でプッシュプルになっているようなので、センタータップ付きのトランスで受けるようにしてみた。

 RFは使わない。OSCは内部でmixerにつながってしまっているので具合が悪いが、無理に8番から局発につなぐ。
 ランドと主な部品を瞬間接着剤と両面テープで取り付ける。左のSIPがTA7358P、右のDIPが74HC14P。

 青い四角いのは入力と局発のレベル調整用の半固定抵抗。小さなトランジスターのような物は、低損失3端子レギュレーター。

 トランスは山水のST21。懐かしい。まだ市販されているというのが、すごい。
 できあがり。

 上がmixer。右下が局部発振。左下が5Vの安定化電源。
 ほかのユニットとつなぐ。

 左上がマイクユニット。左下がヘッドホンアンプ。


 試してみると、マイク入力も局発もだだ漏れで、うるさくてとても実用にならない。DBMのくせに一体何だ。

 データシートをよく見るとセパレーションが30dBと書いてある。そんなんでよくDBMなんて言えるなあ。と激怒。

 いろいろ試してみたが静かにならず。このタイプはあきらめることにする。

 次回、乞うご期待。