Chu Moy アンプ


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 mp3プレーヤーの出力にアンプをつないでも、元の音より良くなるはずがない、とはじめは思った。しかし、mp3プレーヤーの電源は貧弱な物だし、当然、出力アンプのドライブ能力も知れている。すると、イヤホンを直接ドライブすると、負荷が重くて音がひずむ。

 そこで、出力とイヤホンの間にバッファを入れてやれば、しょぼいアンプでもそこそこの音がする、と言うわけだ。

 出力電圧は十分出ているので、増幅する必要は無い。だからアンプという名前が紛らわしいので、バッファと言えばよいのだ。
 
 とりあえず、ヘッドホンアンプとしては入門用の「Chu Moy アンプ」というのを作ってみる。

 おかしな回路だが、音は良いらしい。

 ジャンク箱から部品を拾い集めて、主な部品を並べて、レイアウトを考える。
 抵抗のカラーコードが覚えられないので、実態配線図の横にセロテープで貼り付けて、値を書き込んでおく。
 オリジナルでは変なところに51Ωがつながっている。どうやら発振を止めようとして調べる内に、位相補償が理解できなくて、形だけまねをしたようだ。

 無意味なのでやめて、代わりにアイソレーターを入れる。送信機のファイナルで懐かしい「パラ止め」だ。
 オペアンプは4580を使う。発振すると面倒くさいので、ゲインを6倍にした。

 できあがり。本来なら、配線チェックをするのだが、面倒なのでやめて、電池をつないで、電流を測ってみる。

 まあ、妥当な値なので、おそらく配線間違いはない。・・・と言うことにしておく。
 裏はこんな具合。ゲインが6倍もあって、つなぎ替えた時びっくりするといけないので、6分の1のアッテネーターを入力に入れる。

 緑のコンデンサは後から音質改善のために入れたもの。

 あれこれいじっていたら、たかがChuMoyアンプがえらく大げさになってしまった。
 早速、娘のウォークマンにつないでみる。USBメモリー型のいかにもパワーのなさそうなプレーヤーで実験台に最適だ。

 ノイズもほとんど無くて、いい調子。

 ところがギッチョン、間にアンプを挟むと、音が少しこもった感じになる。ない方がクリアだ。

 半日もかけて作ったのに、残念感バリバリの結末だ。部品が悪いのか、ChuMoyアンプとはこんな物なのか。ネットで見ると結構評価が高いのだが。

 まあ、30年も前の電解コンデンサがどんな特性なのか、かなり怪しいものだが、調べてみると容量抜けは無いようだ。

 これでは訳が分からないので、リファレンスにできるディスクリートのヘッドホンアンプを一つ作ってみようかと思う。