7MHz ダイレクトコンバージョン受信機(2)

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 こんな感じ。

 ネットでよく見かけるTA7358+LM386の製作例をデッドコピー。

 念のため2N3904の低周波増幅をつけてみた。
  
 TA7358はFMラジオのフロントエンド用ICで、RFアンプとダブルバランストミキサが入っている。

 ミキサの出力にクランプダイオードが入っているのを嫌う人が居るが、受信の場合は信号レベルが低いので差し支えない。

 以前、コウモリ探知機を作った際にこのICを使って、DBMなのに通り抜けが多いことが分かっている。まあ、簡易な受信機なので、あまり神経質にならなくても良いだろう。

 はじめ入力(1番)の100pFを入れ忘れて、TA7358に20mA以上流れてビックリした。データシートの例が見にくい。


 結果的にはTr1石のAFアンプは、無くても良かった。TA7358のノイズが相当大きいので、低周波ゲインばかり大きくても、ジャージャーとうるさくて意味がない。2N3904を使ったのは手持ちがたくさんあったからで、2SC1815など何でもよい。

 SSBの受信は少し苦しいのでCW専用になるが、実用にするのならオーディオフィルタを入れる必要が有るだろう。


 LM386は無信号時で10mA弱だが、大きい音を出すと30mAくらい流れる。9Vの電池では明らかに電源電圧が変動するので、発振回路はLM386とは切り離して安定させる必要が有る。

 発振回路やバリキャップの電圧が変動すると、音が濁るし、ひどいとモーターボーディングをおこす。

 ネットで見ると、2SK241を発振回路に使っている例を見る。2SK241で発振といのは違和感があるが、どういう意図だろう。何かメリットがあるのか、いつか試してみても良い。

 中には、2SK241をソースフォロワに使う人も居るから、必ずしもデバイスの特性を知っていてやったとは限らないが。

 

  
 サトー電気で買った鼓型ボビン。

 小さな鼓型のコアとかぶせるコアの組み合わせになっている。

 10MHz以下では溝つきボビンより巻きやすい。

 0.19mmのウレタン線で巻き始めたが、太すぎたので、0.09mmにする。
 まず、鼓型コアをベースに接着する。

 力はかからないので、何でもよいが、ボンドのゴムノリ(いわゆる「速乾」)でつけてみた。
 実際に巻いたところ。

 外側のコアをかぶせるので、鼓型コアよりはみ出ない程度の回数しか巻けない。

 455kHzのIFTなどを作る場合は、もっと細い線を使う必要がある。

 足がつけてあるのは、Lメーターでインダクタンスを測るため。
 
 コイルデータは上の通り。外側のコアを回すと、思ったより広範囲にインダクタンスが変わる。

 インダクタンスはFCZコイルの値を参考にした。FCZコイルのタップはセンターなので、そのままでは使えない。

 FCZコイルをアンテナコイルに使うには2次巻き線が多すぎる(4回)ので、2回にしている。1回の方が良いかも知れない。タップももう少し下でも良い。

 OSCもFCZコイルではタップが上過ぎる。下から4分の1にタップを出す。それでも上すぎて、発振波形が汚かった。3回か2回でも良かったか。


  
 ランド式。ケースの都合で基板を2枚に分けた。

 こっちの基板には局発以外全部。

 大きいのは古い電解コンデンサ。今時は半分くらいの体積だ。あまり部品を買い置きするのは考え物だ。

 この段階で動作チェック。TA7358のノイズが大きい。
 こっちはローカルオシレーター基板。

 TA7358に注入するだけなので、バッファは無くても良かった。

 ソースフォロワは歪み発生器なので、無くても良いのなら無い方が良い。

 スペアナで見ると、2次や3次の高調波がドッサリ出ている。
 仮組みして動作を確認する。

 バッチリ受信できるが、低周波ゲインが有り余ってうるさい。

 2N3904は無くても良かった。
 ちょっとケースが小さかったが、感度が良くてかわいらしいダイレクトコンバージョン受信機の出来上がり。

 夜は混信が多いので、昼間専用。

 以前作った物に比べると、ノイズが大きいのが短所、簡単に作れるのが長所。
 真ん中がそもそも発端の、Hさんの受信機。

 右がほぼ同じ構成で、私がコピーした物

 左が今回作った物。

 感度はどれも変わらない。7MHzでは、ノイズが大きいので、感度より選択度が足りないのが問題だ。