ギガヘルツ・リターンロスブリッジ
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 以前作ったのは、こんなの。

 出来るだけ配線は短く、構造は左右対称に。

 バランはFT801に4ターンを2個直列にした。

 これで600MHz。これを2GHzにするには、どう改善すればよいのか。
 ブリッジはこんな接続なので、RFinとRFoutを分離するのが難しい。

 上の写真では分かりにくいが、シールド板を立ててあるが、効果は十分でない。

 諸OMも苦労しておられる点だ。

 しかし実は、これは発想の転換で、意外に簡単に解決できる。
 それは2次元で考えるから難しい。3次元的に見れば、あっけなく答えが出る。

 即ち、こうだ。

 平面上にブリッジを形成し、表から入力して、裏に出せば、ほぼ確実に入出力を分離できる。
 実物はこんな感じ。

 この平面にブリッジが形成してある。(見えないと思うので、下の写真を参照。)

 RF入力はこの面に半田付けする。

 RF出力は裏へ取り出す。
 上の写真の拡大。

 ガラエポの両面基板に溝を掘って、半田メッキし、そこに抵抗を半田付けする。

 100Ωのチップ抵抗を2本パラにしてある。

 デジタルテスターで、小数以下1桁まで(つまり0.1%まで)選別して、合わせる。相対値なので、安物のテスターで十分だ。
 裏(出力側)はこんな感じ。

 X点とY点に穴を開けて、裏へ引き出す。

 バランは出来るだけ穴の近くに接着して、リード線を極力短くする。

 バランはジャンクのメガネコアに、0.2mmウレタン線を、3回/1cmツイストした線を、4ターン。
 入出力の同軸ケーブル(RG−316/U)を半田付けして、出来上がり。

 同軸ケーブルは、秋月で両端にSMAコネクタの付いたケーブルを買って、端っこだけ切って使う。ケーブルとコネクタを別々に買うより安い。

 入出力を裏表に分離したので、見た目もシンプルで、メンテナンス性も良い。
 コネクタで特性が悪化するので、ケースに入出力のコネクタを取り付けない。

 同軸ケーブルをそのまま引き出して、直接スペアナにつなぐ。

 このままで問題ないが、踏みつぶしたり、引っ張って壊したらいやなので、何かケースに入れようと思う。
  
 1200MHzのアンテナ作りなどに使えれば良いので、とりあえず、これで普段使いには十分なリターンロスブリッジができた。

 周波数特性のこれ以上の改善は、寸法をさらに小さくするしか無いかと思う。

 減衰が30dBほどで、あまり良いとは言えない。こちらは、バランを改善する必要が有るが、とりあえず30dBもあれば、アンテナ作りなどには十分だ。

 長くなったので、実測した性能はマッドな研究所の方で。

 それから、1箇所改善点が有るので、それもマッドな研究所の方で。