帝国主義の行方   2014.12/2


・考え事にもどる

   

 中国が攻めてきて日本が占領されたらどうするんだ、と心配する人が居る。中国が軍備を急速に増強し、特に、いままで弱点だった海軍の充実に力を入れているとあっては。


 第二次世界大戦を触媒として経済のグローバル化が進んだ。植民地を経営して直接収奪するよりも、その国を資源の供給源やマーケットと見なして、間接的に収奪する方がはるかにオトクだということが分かってきた。

 第二次世界大戦後、多くの植民地が独立した。これを独立運動の勝利だという見方もあるが、むしろ宗主国がコストを考えて、植民地経営を投げ出したと見るべきだ。


 例えば、日本は高度成長時代に、中国や韓国に莫大な金をつぎ込んで、近代化の手助けをした。しかし、それは別に善意からではなく、太らせてから食おうと思っただけだ。

 それを、日本人は「中国や韓国が近代化したのは日本のおかげだ。」と言い、中国人や韓国人は「日本に世話になったことはない。」と否定する。どっちもどっちだ。


 つまるところ、中国にまともな経済観念があれば、日本を占領しようなどという不経済なことを考えることはない。そんなことをすれば世界的にも孤立して、今のロシア以下の苦しい立場になるだろう。

 ただ、中国の中身はバラバラで、何かの拍子に暴発するということはあり得るので、全く安心というわけでもない。