松林のほとんどが枯れてしまったのだから、松の枯れ木を切り倒したら、ほとんど禿げ山だ。

 ずい分見晴らしが良くなって、猿がひなたぼっこしていたりする。
 家から禿げ山が見えるのだから、そこから家が見えるはずだ。

 行ってみると、うちの村が見渡せる。山陰の小さな村だ。いわゆる「限界集落」というやつだが、いつまで人が居るのだろう。

 私の子供が老人になる頃には原野に帰っていて、「おじいちゃんが子供の頃には、この辺りにも人が住んで居たんだよ。」てなことになりそうだ。
 この辺りの松はかなり残っている。松の茂っているところは低木があまり生えていないので歩きやすい。

 歩きやすいが景色が見えないので、デタラメに歩き回ったら現在位置が分からなくなってしまった。

 どう下りようか思案しているところ。

 結局強引に斜面を滑り降りて、1時間ほどで人里へ。