出発して間もなく、山の中でパトカーが2台止まっている。何事かと近づいてみると2台のパトカーの間、ヤブの中にゴソゴソ動くものがある。小さい。小熊かな。さらに近づいて、お巡りさんに声を掛けてみる。

 逃げるといけないので、専門家が来るまで見張っているという。
 なんと、雄雌2羽のクジャクだ。逃げ出してこんな所まで来ることは無いから、誰かがここで捨てたのだろう。「捨てクジャク」というのは初めて見た。長生きはするものじゃ。いやいや眼福をいたした。

 帰りに同じ所を通ったら、パトカーはなくて、クジャクはまだ居た。どうやら捕まえられなかったのだろう。
 以前通ったときに、対岸で工事をしていた。川沿いに立派な道ができている。通行止めになっているので車は来ない。古い方の道は所々崩れていて通れないので、こちらを行く。
 前回は本流をたどったのだが、今日は支流に入って、まず奥川並をめざす。舗装はされていないが、案外きれいな道だ。まだ林業で使われているのだろうか。きれいに手入れされた杉林も水没してしまう。水没する前に使える木は切り出すのかな。

 奥川並にはかつては数軒の民家が有ったが、今はまったくヤブの中だ。多分工事関係だろうと思うが、リモートの観測設備らしいものが設置されていた。
 奥川並から引き返して、本流をさらに遡り、今度は尾羽梨川に入る。尾羽梨川の入口に釣り人らしい数人が居て、一体どこへ行くのだと、妙な顔をされる。

 妙な顔をするはずで、道はほとんど消えている。力任せにペダルをこいで、草に埋もれた道を強引に登る。クロスバイクでこれはちょっとつらい。マウンテンバイクが欲しいところだ。

 尾羽梨ダム(アーチ式の大きな砂防ダム)を越えたところで、力尽きて引き返す。