祖父は私が生まれたときちょうど60歳だった。だから、私が高校の頃祖父は80歳近くになっていた。

 その頃、祖父の手伝いで山仕事に行くと、ものすごい速さで歩き回るので、ついて行くのが大変だったのを思い出す。

 母はそれほどではないにしろ、まだまだ現役だ。昔の人には勝てないなあ。
 イノシシが泥浴びをするために掘った穴。直径2m、深さ50cmくらい。山のあちこちにある。

  泥浴びの後は近くの木に体をこすりつける。この木は完全に皮が剥がされてしまっている。
このような穴や木は昔からたくさん有ったが、山でイノシシに出会うことは滅多になかった。

 山を伐採して杉や檜を植えたからだという説があるが、時期が合わない。

 以前なら毎日たくさんの人が山で仕事をしていた。今では里山にも人影はない。

 人が居なくなった分だけ、動物の生活圏が人里に近づいたと考えた方が自然だ。
 午後は天井やガラス拭きをする。合間に年賀状用の版画をつくったり。そうこうするうちに日は暮れていく。