登山口のそばの広場で、子ども達が三角ベースをしていた。

 女の子も混じって三角ベースって、昭和の風景みたいだ。

 連休で帰省した親戚の子ども達だろうか。
 細長い釣り鐘が3個ぶら下がっている、変わった鐘つき堂。

 しかもお地蔵さん付き。
 父を先頭に、何しろゆっくり登る。
 途中、松ぼっくりの小さいような実がたくさん落ちていた。ハンノキの実だ。

 昔、ハンノキはイネをかける「はさ」を作るために、田んぼの畦に植えてあった。田舎の情景として、写真集に載っていたりする。

 珍しいものかと思っていたが、耕作放棄田には勝手に生える。湿地に適した木なのだろう。
 両親は幼なじみ同士なので、80年近くの付き合いということになる。田舎では珍しいことではない。
 山頂の広場では、八重桜が満開だった。

 息子も娘もでかいので、母がミニチュアのように見える。
 竹生島を背景に記念写真。近頃珍しく良い天気だ。

 眼下に尾上港が見える。
 山本山から賤ヶ岳への縦走路から、熊野に下りる分岐。片山から熊野に抜ける峠だ。

 片山トンネルがなかった頃、小学生達がこの峠を越えて毎日通学したという。

 昔の人はすごいなあ。己高山頂の鶏足寺の和尚さんは、毎晩、碁を打ちに麓の村まで下りてきたそうだから、昔の人は山道が平気だったのだろうか。

 ここから私だけ先行して、車を取りに行く。