滋賀県から岐阜県に抜ける国道303号線。冬は雪で通行不能。夏は工事で通行止め。道幅は狭く、大変危険。

 それで、酷道とか開かずの国道とか言われていた。

 それがダムができることになって、一気に素敵なハイウェイに。

 ダム建設は中止になったが、道は残った。
 八草峠を越える危険な山道をバイパスして、滋賀県と岐阜県を結ぶ全長3kmのトンネルもできた。

 トンネルの岐阜県側の出口の所に流れているのが八草川だ。

 揚水発電所の上のダムを八草川上流に、下のダムを滋賀県側の日の裏林道に建設するはずだった。

 ダムが中止でなければ、八草川のずっと上流まで大きな道が付いていただろう。
 トンネルを出たところに橋があるが、そこから50mほど上流にもう1本橋があって、「八草村橋」とある。

 この橋の先が酷道旧303号線だ。おそらく、八草村はこの付近に有ったに違いない。

 分かったのはそこまでだ。

 正確にはどこにあったのか。せめて石垣でも残っていないのか。
 台風一過、天気がよいので、軽トラにマウンテンバイクを積んで、出かけた。

 八草村橋のところに軽トラを置いて、自転車で旧国道をポタポタと登る。

 3桁とは言え、これを国道というのはキビシイ。林道に舗装をした程度だ。車の対向はできない。
 2キロほど登ると広場があって、すぐ先に砥谷橋(「すりたに」と読むらしい。)という橋がある。

 砥谷橋から上流に向かって林道が分岐している。

 今日のターゲットはこの林道だ。多分この上流のどこかに八草村が有るに違いない。
 しかしこの林道はほぼ廃道で、自転車では無理なので、置いていく。

 幸い獣道ができているので、歩けないことはない。
 谷を半分くらい詰めたかというところで砂防ダムに行き当たった。

 その先はいよいよヤブが深くて、面倒くさくなってきた。

 どうもこの谷では無かったようだ。

 自転車の所まで引き返す。軽トラに自転車を積んで、坂内村の川上集落まで行ってみた。
 川上村で尋ねてみると、八草村について面白い話が色々聞けた。場所もおよそ分かったので、もう一度登る。

 面倒なので、軽トラでそこまで行こうかという誘惑に駆られたが、また自転車でポタポタ登る。

 教えてもらった砥谷橋のところの広場に自転車を置いて、河原に下りる。
 ここで徒渉して、対岸に道があると言うことだが、またもや分からなくなった。

 ウロウロする内に時間も過ぎて、日が陰ってきたので、今日は引き上げることにする。

 秋の夕暮れは早い。深追いは禁物だ。

 次回をお楽しみに、ということにしょう。