430MHzヘンテナを作りっぱなしで
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 ヘンテナの寸法は左図のような物が標準だ。ループアンテナだが、短縮率は1とする。

 端から給電点までの距離 x は0.13〜0.20λと書いた記事が多いが。もう少し短いようだ。
 しかし、これを作る際に、長方形のエレメントを作りながら長さを測るのは良くない。

 430MHzのループアンテナだと、2,3mm程度の太さの銅線をエレメントにするだろう。

 そうすると曲がり角の所をどのように測るかによって、数mmくらいの誤差は出てしまう。
   
 430MHzの波長は約70cmだ。それぞれの1%は、4MHzと7mmになる。つまり、仕上がり寸法が7mm違うと、周波数が4MHzずれてしまうことになる。

 ヘンテナは適当に作っても上手く行く、という人も居るが、程度問題だと言うことが分かるだろう。
 
 そこで、どうするかというと。

 エレメントを必要な長さより2cm長く切り出して、左図の印のところで直角に曲げる。
 角から1cm離れたところで、2cm重なるはずだ。(ちょうど角のところで重ねると、誤差が生じる。)

 正確に2cm重ねてメッキ線でしっかり縛って、動かないようにしてから半田付けする。

 これで1mm以内の精度で、正確なループが出来る。
 実際に433MHzのヘンテナを作ってみる。

 給電点の位置は、以前の実験からこの値がベストと思う。

 433MHzで、87mmは0.126λで、雑誌やネットの製作記事でよく見かける「0.13〜0.20λ」より少し短い。
 エレメントのループは、上記のやり方で寸法通り作って、塩ビパイプに固定しておく。
 同軸ケーブルの先端にシュペルトップを作り付けておく。

 シュペルトップは無くてもそんなに問題ではない。

 シュペルトップの寸法については議論のあるところだが、これは短縮率が0.57で作ってある。
 せっかくループを正確に作っても、給電点が適当だと何にもならない。

 右図のように「ハ」の字に成っているようではうまくない。

 フィーダーの接続は正確に中点でなくても良いが、両方でちょうどλ/6になるようにする。
 勝手に使って申し訳ないが、これはネットで拾った悪い例。

 これだと調整してもSWRが下がりにくい。
 こういう具合に、絶縁物の添え木を入れて、真っ直ぐにする。
 こんな形の給電ユニットにしてしまうと、扱いやすい。

 給電線の長さがちょうどλ/6のところで折り曲げておく。
 ループの所定の所に、給電線を半田付けして出来上がり。

 これは庭に持ち出してSWRを測定しているところ。

 作ったままの調整無しで、430MHzから440MHzまで、SWRは1.5以下に収まった。
 試しに給電点を動かしてみたが、作ったままより良くは成らなかった。