電気2重層コンデンサの測定(2)
測定装置の製作


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 学校の実験室にあった電圧計。3Vフルスケールの時の入力抵抗を計ってみると、なんと3kΩ。生徒の実験用とは言え、これはひどい。

 フルスケールで1mAも流れる。

 もちろん、こんなものでコンデンサの端子電圧なんか測れない。
 念のためだが、アナログテスター(1万円ほどのもの)でも全然ダメ。

 といっても、5Vフルスケールの入力抵抗が100kΩだから、学校の実験用の電圧計と比べればずい分ましだ。

 ただし、高性能なメータは壊れやすい。生徒の実験用計器の性能が非常に悪いのは、丈夫に作ってあるからだろう。
 試しにデジタルテスターでコンデンサの端子電圧を測ってみると、ゆっくりではあるが、電圧が下がっていく。デジタルテスターでも実験には使えないことが分かる。

 デジタルテスターの入力抵抗はもっと高くできるのだが、市販品だから、動作の安定のためにわざと低くしてある。

 そこで、FET入力のオペアンプTL072で計測アンプを作る。TL072は秋月で2個100円。
 回路はオペアンプ入門の練習問題そのままの非反転増幅回路。電源のパスコンは必ず入れる。

動作試験のために、0.1μFのセラミックコンデンサと3.3μFの電解コンデンサに充電して、端子電圧を測ってみる。

 どちらの場合も、メータは一定の値をさして、ピクリとも動かない。完璧だ。
 割り箸でちょっとさわってみると、スーッと電圧が下がってしまう。木の絶縁度はその程度しかない。電極の土台を木で作るわけにはいかないことが分かる。

 DIYの店で買ったプラスチックの棒。材質はよく分からないが、絶縁は問題なし。

 これを電極の土台にする。

 HBのシャープペンシルの芯を、片側10本ずつ等間隔に並べて電極にする。