電気2重層コンデンサの測定(6)
この実験の考え方


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 食塩水を備長炭を電極にして電気分解すると、2次電池として働く(こともある)という。備長炭ではいかにも再現性が悪そうなので、シャープペンシルの芯を良く焼いたものを使って実験してみる。

 食塩水にシャープペンシルの芯を突っ込んだセルは、下図のような等価回路で表せるだろう。充電時のその振る舞いは以下の通りと推測する。

(1) 電気分解がおきる電圧以下では、電気二重層コンデンサとして働く。

(2) 電気分解が起き始めると、電気二重層コンデンサは(その電圧で)満充電の状態で、供給される電荷は電気分解のために消費される。


 放電時にどのような振る舞いをするのかは、全然分からない。内部抵抗や自己放電の仕組みも想像の範囲を出ない。





 硫酸を電解液、(焼いていない)シャープペンシルの芯を電極とした電気二重層コンデンサの性質は以前実験した。

 今回は電解液として飽和食塩水を用いたが、このレベルの実験ではコンデンサとしての特性は特に違いはなかった。


 上記の等価回路が成り立つのならば、高抵抗(RΩ)で電流を制限して充電特性を測定すると、下記のようになるはずだ。

 
 電気分解がおきる電圧をExとする。充電用電源の電圧E1をEx以下にした場合、セルは単に電気二重層コンデンサとして働くはずだから、セルの端子電圧は指数関数的にE1に近づく。


 電源の電圧E2がEx以上の場合は端子電圧は指数関数的にE2に近づくが、Exを越えることはできないので、一定時間経過後はExで一定になる。

 と予想する。さて、実験の結果は。