リターンロスブリッジの特性(その4)

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 以前の実験で、強制バランを使った(G)タイプのリターンロスブリッジは、あまり実用的ではないが、( I )タイプは低い周波数(200MHz以下)では、かなり良い性能だという事が分かった。

 さらに、性能を高い周波数へ伸ばそうとする場合、フェライトビーズよりトロイダルコアの方が良いという実験結果もある。

 今回はだめ押しで、トロイダルコアを使って( I )タイプを試作し、良ければ、ケースに入れて完成品とする。
 その前に、トロイダルコアに6回巻きのフロートバランを4個直列にした時の特性を調べておく。
 これでも十分良いんじゃないか、という気がする。
 ブリッジを片方ショートして、バランスを崩すとこうなる。

 上の写真と差し引きすると、100~200MHzで40dB弱、200~400MHzは暴れているから無視して、400~600MHzで25dBくらいか。

 まあまあだ。下は200MHz以下を拡大。100MHz以下でもそこそこ使えそうだ。
 では、真打ち。1:4バランを背中合わせにした強制バランの性能は。
 一番周波数の低いところ(100MHz以下)以外は4連フロートバランの方が良いみたいだ。
 ブリッジのバランスを崩したところ。

 これも4連フロートバランの方が良いような気がする。

 200MHz以下を拡大すると、下の通り。
  
 一番良い10MHz付近で58dBくらい。100MHzで45dB。200MHzで40dBだ。

 これは良いような、悪いような、微妙なレベルだ。


 200MHzで40dB、それ以上ではさらに悪化する。これは、はじめに作ったリターンロスブリッジに負ける。しかも、はじめのリターンロスブリッジは、50MHzでも40dBほどなので、低い周波数でも十分使える。

 200MHz以下では、先に実験したFB801-43の1:4バランタイプの方が良い。

 結局、トロイダルコアを使うメリットは、部分的には有るものの、トータルしてフェライトビーズに勝るわけではない。

 要するに、リターンロスブリッジのトランスは、FB801-43を使えばよいということか。

 予想が大外れで、全く残念だ。

 最終回なのに、今回は思ったような進展はなかった。ビールでも飲んで、ふて寝しよう。