こんな感じで、トラジェネの出力電流を、シュペルトップがどんな具合にトラップしているか、スペクトルを取る。 これでは、スペアナの立場から見ると、入力も出力も整合していないので、「一体何が見えているのか」ということは、十分気をつける必要が有る。 カレントトランスは必ずコールド側に入れるのは以前にも書いたとおりだ。 |
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写真では分かりにくいが、芯線はどこにもつながっていない。網線がループ状になっている。 カレントトランスは、FT50-43に0.4mmウレタン線を5回巻き。 コネクタまでは3回/1cm程度ツイストする。ここは整合していないので、同軸にする意味はない。(シールドにはなる。) |
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シュペルトップの長さ30cm。 センター300MHz、スパン500MHz。 ディップが4箇所有る。う~む。 ループの共振点もどこかに有るはずだが。 |
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シュペルトップの出口をショートして、動作を殺してみると、Aのディップが消えた。他は変化しない。 こいつがシュペルトップによるトラップだ。 この時のAの周波数は141MHz。 |
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他が変化しないように気をつけながら、シュペルトップを25cmに切り詰める。 Aのディップが無くなった。どうやら少し周波数が高くなって、Bのディップに隠れてしまったようだ。 仕方がないので、この時の周波数はBのディップの周波数172MHzとする。 |
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20cm。 Bのディップの右肩に小さなディップが見えてきた。 この周波数は216MHz。 |
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15cm。 284MHz。 |
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9.8cm。10cmにするつもりが、2mmほど切りすぎた。 しかも、焦って引っ張ったので、少しジオメトリも変わって、スペクトルの形も少し変わった。 447MHz。 |
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実験は以上で終わりだが、ずっと変化しなかったBのディップは何だろう。 同軸ケーブルを切り詰めても変化しない。 カレントトランスを2回ほどいてみたら、周波数が大分高くなった。 どうやら、カレントトランスの自己共振だったようだ。 |
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シュペルトップの長さと、ディップAの周波数から短縮率を求めると、このとおり。 0.56~0.58。平均0.57として良かろう。 |
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今まで4種類の方法で(今回の他にこれとこれとこれ)シュペルトップの短縮率を測定してきたが、すべて0.57前後の結果が出ている。まずは間違いのないところだと思う。 ググってみると、0.67としている人が多いようだが、根拠になるデータが有れば教えて欲しい。 なお、この方法ではシュペルトップの効き具合(コモンモードの減衰率)は分からない。現実にも、アンテナまわりの状況が複雑で、効き具合は大きく変わるだろう。 また、帯域幅はディップの形からすると、中心周波数の2~3%程度のように見える。ネット上に「広帯域シュペルトップ」というものが有ったが、実物を見てみたいものだ。 したがって、短縮率0.67とか1.0とかで設計したのでは、効果は期待できない。 |
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