TS-690の修理 その2

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 回路図を見ると、AGCの時定数をアナログスイッチで切り替えている。

 このC114からC118のどれかが怪しい。

 ええい面倒だ。たばにして全部取り替えてやる。
 ケースを開けるのに、どのネジをはずすのか分かりにくい。

 怪しいネジを次々にはずしてみる。

 ふたが開いたら、次回のために、どのネジをはずせばよいかマークしておくと良い。
 こうだもんなぁ。テンションが下がってきた。

 たかが趣味のトランシーバーが、どうしてこんなに複雑なのか。

 こういうのを見ると、すっきりしたのを自作したいという欲求がムラムラとわき起こる。
 前回取り替えた、AF出力のカップリングコンデンサ。

 その時手持ちがなかったので、こんな大きいのを無理してつけた。

 この際、こいつも取り替えても良いのだが、あまり何度も取ったりつけたりすると、パターンがはがれる恐れがある。

 余計なことはしないでおこう。
 この基板につながっているコネクタが10個ほどあるので、元に戻す時分かるように、写真を撮っておく。

 コネクタを抜いて、シャーシーから基板をはずす。
 狙いのコンデンサは6個ともまとまっているので、一網打尽だ。

 因みに、下にある黒いのが、4チャンネルのアナログスイッチ。その内2チャンネルをAGCの時定数切り替えに使っている。
 回路図どおりの部品が使ってあるとは限らない。むやみにはずしてしまうと分からなくなるので、はずす前に、定数や向きをメモしておく。

 ここでC85までメモしたのが間違い。これははずす必要のないコンデンサ。
 基板の裏はこんな具合。

 チップ部品がビッシリ張り着いていて、これを避けて半田をはずすのはとても面倒。

 老眼でなければ、もう少し楽だろうが。
 無理をするとランドがはがれてしまうので、丁寧にはずす。

 もう後戻りはできない。

 おっと、間違えてC85まではずしてしまった。仕方がないので、そっと元に戻す。
 取り外したコンデンサと、代わりに取り付けるコンデンサ。

 新しい部品は少し小さくなっている。技術の進歩か。

 0.1μFの電解コンデンサが無かったので、フィルムコンデンサを使った。

 少しでかいが、何とかなる。
 取り付け完了。これで修理できたはずだ。

 フィルムコンデンサがでかい。

 基板を元に戻す前に、虫めがねでよく見て、半田が天ぷらになっていないか、確認する。

 取り付けてしまってから間違いが発見されると、大変面倒なことになる。
 基板をケースに戻して、ネジ留めする。 写真を見ながら、コネクタを元どおり挿す。

 ケースのふたを閉めて、動作確認する。

 変化無し。こんなに苦労したのに。どうやら原因はこれらの電解コンデンサでは無かったようだ。
  

 原因の特定を間違えて、修理できなかった。仕方がない。

 取りあえず、今日はもうやる気が起きない。

 回路図をよく検討して、可能なら、もう一度修理にチャレンジだ。