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 飯福寺よこの登山口から南尾根を目指す。

 飯福寺は所々30cmほど雪が残っていて、ほとんど人は来ないようだ。

 帰りに石道寺に寄った時も、観光客に聞かれて、30cmほど雪があると答えたら、あきらめていた。

 観光客には30cmの雪は多いのだろう。
 途中まで日当たりの良いところでは地面が出ていたりするので、ツボ足で登る。スノーシューを着けたら土道になったりして面倒くさい。

 1時間ほどで高尾寺跡との分岐に着く。このあたりの雪は1~2mはあるので、スノーシューで楽に登れる。

 南尾根はなだらかで広い尾根なので、スノーシュー向きだ。
 鉄塔からの見晴らしはよい。正面は山本山。

 新雪が降った後の、空気のきれいな日なら、近江八幡あたりまでくっきり見える。
 上の鉄塔まで行くと、正面に伊吹山がよく見える。

 この角度から見ると、あまり格好良くない。
 余呉や湖西の山はまだまだ雪が深いようだ。
 飯福寺から己高山頂まで3時間半ほどかかる。山頂の雪は3mくらいか。

 夏場は見えにくいが、今は木々の隙間から周りがよく見える。

 一番奥が金糞岳、その手前が白倉岳。白倉岳からの水平な尾根は、我があこがれの尾根だが、日帰りでは難しそうだ。
 私より多分1時間ほど先行していると思われるスノーシューの跡がある。休憩した様子もなく、ストックも使っていない。かなりの強者と見た。

 己高山頂をそのまま行き過ぎて、北尾根に向かっている。大回りして川合か古橋に降りるつもりか。それとも、白倉岳から金糞岳へ縦走するつもりか。

 何にしろうらやましいが、今日は予定通りピストンで帰ることにする。
 今日は登りはスノーシューで、下りは輪かんじきで降りる。

 あまり急でない山ならスノーシューで登るのが楽ちんだが、急な山や下りはスノーシューでは怖い。

 合わせても5kg程なので、両方担いで行く。快適に歩けた。
 200mほど降りてから、そういえば、と思って記念写真を写す。木の股にカメラをはさんで撮ったら、足が少し切れてしまった。
 このあたりに、こんな奇妙な物があった。

 木と木の間にしっかりした縄が結びつけてあって、ビニールやひもがぶら下げてある。

 「道切り」のように見えるが、何でこんなところに。
 麻縄で、かなり特殊な縛り方で、ピンと強く張ってある。

 遊びでやったようには見えない。いったい何だろう。
 なれた山だが、道が埋もれてしまうと、迷う恐れもある。

 現に、去年反対回りで登った時には、違う枝尾根に降りてしまうところだった。

 迷わないように、登りに着けてきた赤テープを回収しながら降りる。
 飯福寺。

 登っている7時間ほどの間に、10cm以上融けてしまって、雪のないところが随分広がっている。

 この時期の日差しはありがたい。
 いつものところ。

 登り3時間半、下り3時間。雪の山登りは、登りも下りもあまり時間がちがわない。