10,11,12月の日記に戻る

 5時半開会、6時半テイクオフなので、4時起きで出かける。

 駐車場から彦根港まで少し距離があるので、パンジャンドラム号に轟天号を積んで出かける。

 ジャンボジェットにスペースシャトルを積む感じだ。
 5時前で、まだ真っ暗だというのに、すでに数百人の人が集まっていた。ヒマ人が居るものだ。
 向こうに機体が見えるが、プレスがじゃまで全体が見えない。

 「機体を移動しますので、プレスの方はどいて下さい」とアナウンスがあるが、さっぱり動こうとしない。

 カメラを持つと傲慢になるのは、プロもアマも同じようだ。
 エボルタのロボット(着ぐるみ)が愛想をふりまいている。
 全体像が見えた。翼長が長くて、ここからでは画角に入らない。30mくらい有るのか。

 パイロット+電池の重さがあるので、こんな長い翼がどんな構造か気になる。

 人力の時は2人乗りも有ったが、確か飛ばずに落ちたはず。
 そうこうする内に空が明るくなってくる。

 6時21分が日の出なので、それに合わせてテイクオフの予定だ。
 夜が明けたが、なかなか飛ばない。

 しばらくしてドローンが2機飛び上がった。いよいよらしい。

 カメラマンが一斉にスタンバイする。
 モーターの力はさすがで、プロペラが回り始めたと思ったら、あっと言う間に離陸してしまった。
 高度はあまりとらないので、すぐに機影は見えなくなった。

 鳥人間の時のようなハラハラした感じはなく、非常に安定した飛行だ。
 機体を作った東海大学の学生たちやプレスは、バスに乗って着陸(着水かな)予定地点の琵琶湖大橋へ移動する。

 完全に成功気分で、ワイワイ談笑しながら乗り込んだのだが、この直後に悲劇が。

 飛行距離4kmを目前に墜落したという連絡が入る。
  
 高度はないが鳥人間よりはスピードが出ているので、パイロットが心配されたが、無事だったらしい。

 主翼がねじれて失速して墜落したらしい。

 真っ直ぐ飛んでいる時は、全く問題ないように見えたが。旋回する時か、横風を受けて無理がかかったのだろうか。

 やはり、あの長い主翼とパイロット+電池の重量を支えるのは難問だ。

 主翼は折れたのではなく、ねじれただけらしいが、1本のカーボンパイプですべての応力に耐えることは難しいのだろう。


【追記】エボルタチャレンジのページを見てみた。翼長は26mだそうだ。機体製作の記録を見ると、カーボンパイプの強度テストが軸に対して直角方向に偏っているような気がする。

 翼のねじれ方向の強度は測定しにくいとは思うが、これだけ翼長があると、トーションは重要なファクターだろう。実際、それで落ちたわけだし。


 今回は破断はしなかったようだが、リブの強度も翼のねじれに対しては案外弱そうな気がする。パイプとリブの接着部分に大きなトルクがかかるのだから。ただしそれは翼の長さより、機体の総重量の問題ではある。