白山(1日目)

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 市ノ瀬から20分弱で別当出合に着く。

 ここの駐車場は200台収容だそうだが、6時20分の段階で7,8割方は埋まっていた。

 夏休み中だからかも知れない。

 駐車場から登山口までは5,6分登る。
 別当出合登山口。

 鳥居の奥の吊り橋を渡ると「砂防新道」、鳥居のところを左に登ると「観光新道」だ。

 多くの人は砂防新道を登る。私も初めてなので、当然そちらへ。

 下りに観光新道を使ってみたが、登山の得意でない人は観光新道へ行くべきではないと思う。
 登山道は普通の土道は少なくて、石畳か階段になっていることが多い。

 山の階段はいやがられることが多いが、ここの階段はちょうど良い段差で、一歩一歩登って行くと、あまり疲れない。

 ただし、雨の日の下りは少し心配だ。
 別当出合から1時間弱で中飯場(なかはんば)。

 トイレもあるので、ここで休憩。
 トイレはこんな感じの水洗で、これが山の中かと思う。

 白山は、やっぱり他の山とは少し違う。
 砂防新道の名前の由来。砂防が無茶苦茶多い。

 そして、歴史がある。

 工事車両がかなり高いところまで上がってくる。
 一見、普通の登山道だが、その下は、
 こんな風に、砂防工事用の車道がついている。

 しかし、登山道の両側には上手に木が植えてあって、登山道と車道が交差していることは、普通は気がつかない。

 車道があることさえ分からない。

 実に巧妙に、白山登山の雰囲気を壊さないような気遣いがされている。
 谷をはさんで、向こう側の斜面を登っている人が、小さく見える。

 観光新道だ。尾根に出てしまえば、そんなに急ではないが、尾根までの斜面のジグザグが相当きびしい。

 ここの登りでへばった人はたくさん居るだろう。
 観光新道はこの尾根筋で、普通に登っていれば何でも無い。

 しかし、尾根に取り付くのに体力を使ってしまった人には、これでも大変だ。

 私は下りに、何人かの人とすれ違ったが、本当にしんどそうだった。

 観光新道を登るのはやめた方が良い。
 階段に使ってある石や道ばたの石を見ると、円礫岩が多い。

 あまり多いので、初めは階段を作るのにコンクリートを使ったのかと思った。

 円礫岩があるということは、昔はここは川の下流の水底だった、ということだ。 

 歴史を感じるなあ。
 甚之助避難小屋。トイレがある。

 別当出合からここまで、高度差約700mかせいだ。室堂まではあと500m程だ。

 ちょっと前に休憩したところなので、ここは通り過ぎる。

 何しろ、天候が崩れる前に着きたいので、あまりゆっくりできない。
 砂防新道とエコーラインの分岐付近に有る甚之助谷第2号谷止工(大正4年建造)。

 砂防ダムの原型のようなものだ。

 砂防新道から少し離れているし、「地味な史跡」なので、見に行く人は少ない。
 エコーライン分岐から黒ボコ岩までの最後の登り。標高差200m、登り切れば弥陀ヶ原だ。

 ここで、何人かが立ち止まって、ハイマツの林の方を見ていた。

 「グゲェェェァァァ」という、カエルの首を絞めたような鳴き声。雷鳥だ。

 しばらく探したが、姿は見えなかった。
 黒ボコ岩を越えると、弥陀ヶ原だ。

 山上にこういう平地があるのは不思議な感じだが、火山性の地形では、よくある。

 ずっと木道が続いている。

 弥陀ヶ原のあたりまでガスが来ている。

 今まで青空だったのがウソのようだ。
 弥陀ヶ原を横断して、突き当たりの段差の上が室堂平だ。

 最後の登り100m。

 室堂平の上はガスで何も見えない。
 少し登って振り返ると、今横断してきた弥陀ヶ原の木道が見える。
 登り切ると、ひょいと室堂ビジターセンターの前に出る。

 登り始めて4時間30分、標高差1200m。

 ビジターセンターの後ろにある、白山山頂=御前峰は、ガスの合間から見えたり隠れたりしている。
 ビジターセンターの裏にある、白山神社の拝殿。

 後ろが御前峰だが、すぐそこまでガスが降りてきて、何も見えない。

 まだ早い時刻(午前11時)だが、今日はゴロゴロして、山頂は明日の朝にする。

 お休みなさい。
   
      白山2日目につづく